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【完全版】イオン化エネルギー・電子親和力・電気陰性度の違いを徹底解説

周期表の横の説明

【図解】イオン化エネルギーと電子親和力と電気陰性度の共通した考え方は「電子を引きつける強さ」です。それなのに希ガスに対しての扱いが全く異なります。違う理由と関連性について図で具体的に詳しく解説します。

ちなみに僕は10年以上にわたりプロとして個別指導で物理化学を教えてきました。

おかげさまで、個別指導で教えてきた生徒は1000名以上、東大京大国公立医学部合格実績は100名以上でして、目の前の生徒だけでなく、高校化学で困っている方の役に立てればと思い、これまでの経験をもとに化学の講義をまとめています。参考になれば幸いです。

イオン化エネルギー・電子親和力・電気陰性度の共通点

イオン化エネルギー・電子親和力・電気陰性度の共通点、それは「電子を引き付ける強さ」ということです。

まずは一つ一つ定義を解説したうえで、違いをまとめます。

イオン化エネルギーとは

イオン化エネルギーとは、「原子から電子を一つ取り除いて一価の陽イオンになるときに必要なエネルギー」です。

イオン化エネルギー説明

そもそも原子核には陽子(+)が含まれているため、周りをまわっている電子(-)は原子核に引きつけられています。電子を取り出し、陽イオンにするためには、その引力に負けないだけのエネルギーが必要となります(エネルギーを吸収する必要があります)

つまり、原子核(+)が回りの電子を引き付ける引力が強いほど、陽イオンになるときにはたくさんのエネルギーが必要ということになります。

要するにたくさんのエネルギーを吸収しないと陽イオンになれないということです。

このため、イオン化エネルギーが大きい原子は、周りの電子を引き付ける引力が強いのです。

電子親和力とは

電子親和力とは「原子が電子を一つ得て一価の陰イオンになるときに放出されるエネルギー」です。

つまり、電子を引き離すイオン化エネルギーと反対で、原子に電子をくっつけるときの話です。

エネルギー放出のイメージが掴みにくいので、まずは例え話から始めます。

例えば、隕石が星の引力(重力)に引きつけられて衝突すると、爆風や熱・光・音などが発生します。

この熱や光や爆風などがエネルギーの一種です。

隕石の衝突でエネルギーが発生する画像

わかりますか?隕石は地球などの星に重力で引き付けられるため、極論、放っておいても衝突します。

それでは、電子はどうか。

電子親和力説明

原子核には陽子(+)が含まれているため、引力(静電気力)により電子(-)は原子核に引き付けられているため、極論、放っておいても原子核に衝突します。

そのため、電子が最外殻に飛び込んだときには、先ほどの隕石の場合と同じようにエネルギーが発生するはずです。この発生するエネルギーが電子親和力です。

星が重たく、隕石を引き寄せる力が強いほど、隕石はより速く激しく星に衝突し、発生するエネルギー(爆風や熱・光・音など)はより大きくなります。

これは電子親和力に関しても同じことが言えます。

つまり、原子核(+)が電子を引き付ける引力が強いほど、陰イオンになるときにはたくさんのエネルギーが放出されるということになります。

このため、電子親和力が大きい原子は、イオン化エネルギーと同様で電子を引き付ける引力が強いのです。

電気陰性度とは共有電子対を各原子が引き寄せ,自らを電気的に陰性にしようとする強さの尺度のことです。

それでは細かく解説していきましょう。

2つの原子がお互いに「不対電子」というものを出し合って「共有電子対」というペアになった電子をつくり、これを共有する事によってその2つの原子が結合することを共有結合といいます。

共有結合のイメージ

それぞれの原子が共有電子対を自分の方に引っ張る強さを電気陰性度といいます。

つまり、電気陰性度が大きい原子の方が共有電子対を自分側に引き寄せます。

電気陰性度と共有結合

イオン化エネルギー・電子親和力・電気陰性度の共通点

大まかにいうと、イオン化エネルギー・電子親和力・電気陰性度のどれもが周期表の右上に行くほど大きくなります。

理由を横と縦それぞれ解説します。

周期表の横(周期)についての考察

例えば、周期表の第2周期(Li~Ne)をもとに説明していきます。

周期表の横の説明

第2周期の最外殻はすべてL殻であり、真ん中にある原子核からの距離がどの原子でも同じです。

では何が違うのかというと、真ん中の原子核内にある陽子(+)の個数が違います。

真ん中の原子核内にある陽子(+)が多いほど、回りの電子を引き付けやすいはずです。つまり、周期表の右側の方が原子番号が大きく、陽子数が多いため、電子を引き付ける強さが強くなります

周期表の縦(族)についての考察

それでは次に、周期表の縦(族)について考察します。

例えば、周期表の第18族(He,Ne,Ar,…)をもとに説明していきます。

周期表の縦の説明

第1周期のHeの最外殻はK殻であり、真ん中にある原子核からの距離が最も近いです。

第2周期のNeの最外殻はL殻であり、真ん中にある原子核からの距離が少し遠ざかります

第3周期のArの最外殻はM殻であり、真ん中にある原子核からの距離がさらに遠ざかります

最外殻電子が原子核(+)に近い周期表の上側の方が電子を引き付けやすいはずです。つまり、周期表の上側の方が、最外殻までの距離が近いため、電子を引き付ける強さが強くなります

期表の右上にいくほど大きく、左下に行くほど小さくなる傾向があります

電気陰性度

出典:https://blog.donaldo-plan.com/

イオン化エネルギー・電子親和力・電気陰性度の違い

それでは何が違うのかを説明していきます。

  1. イオン化エネルギーは、その原子自身がもつ電子を取り去るために必要なエネルギーなので、
    イオン化エネルギーは自分の電子を引き付ける強さが強いほど大きくなります。
  2. 電子親和力は、その原子以外の電子を得るときに放出されるエネルギーなので、
    電子親和力は他人の電子を引き付ける強さが強いほど大きくなります。
  3. 電気陰性度は、共有電子対(自分の電子と他人の電子)を引き付ける強さの尺度なので、
    電気陰性度は自分と他人両方の電子を引き付ける強さが強いほど大きくなります。

つまり、

(イオン化エネルギー+電子親和力)の大きさが電気陰性度比例します

そして、周期表の右上が大きいことは共通点ですが、希ガスの扱いが異なります。

  1. イオン化エネルギーは希ガスが最大です。
    なぜなら希ガスの電子配置は最も安定なので、この状態から自分の電子を取り去るのは大変だからです。
  2. 電子親和力は希ガスが最小です。
    なぜなら希ガスの電子配置は最も安定なので、他人の電子はこれ以上不要なのでほとんど引きつけません。
  3. 電気陰性度は希ガスの定義がありません
    なぜなら希ガスの電子配置は最も安定なので、他の原子と結合しないからです。

イオン化エネルギー・電子親和力・電気陰性度・原子半径・イオン半径について

根本的な考え方が同じである「イオン化エネルギー・電子親和力・電気陰性度・原子半径・イオン半径」についての他記事は以下を参照ください。

イオン化エネルギーの定義と大小関係とその理由

第nイオン化エネルギーが急激に大きくなる問題の攻略法

電子親和力の定義と大小関係とその理由

電気陰性度の定義と周期表での大小関係とその理由

原子半径(原子の大きさ)と周期表での大小関係とその理由

イオン半径(イオンの大きさ)と周期表での大小関係とその理由

さいごに

わかるとできるは別ものです。

本記事の内容を見て理解できた人は、一度自分自身でイオン化エネルギーと電子親和力の違いを説明できるか確認してみましょう。

もしできなければ、おそらく1か月後に問題で出題されたときには忘れています。

何度か復習を繰り返して自分で説明できるようになっておきましょう。

なお、僕がこれまで1000名以上の個別指導で、生徒の成績に向き合ってきた経験をもとにまとめた化学の勉強法も参考にしてもらえれば幸いです。復習の仕方についても、脳科学に基づいた方法を解説しています。

また、本記事をググってくださったときのように、参考書や問題集を解いていて質問が出たときに、いつでもスマホで質問対応してくれる塾はこれまでありませんでした。

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