周期表の意味と見方を解説したうえで、入試必須箇所は覚えやすい語呂合わせをお伝えします。金属、非金属、両性元素、半金属、典型元素、遷移元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン、希ガス、状態について覚えておかなければならないことを具体的かつ丁寧に解説します。
ちなみに僕は10年以上にわたりプロとして個別指導で物理化学を教えてきました。
おかげさまで、個別指導で教えてきた生徒は1000名以上、東大京大国公立医学部合格実績は100名以上でして、目の前の生徒だけでなく、高校化学で困っている方の役に立てればと思い、これまでの経験をもとに化学の講義をまとめています。参考になれば幸いです。
周期表
原子番号順に元素を並べ、性質の似た元素が縦列に並ぶようにした表を周期表と呼びます。
縦の列を族と呼び、横の行を周期といいます。
同族であれば価電子数が同じなので化学的性質が似ています。
同周期であれば最外殻の種類が同じです。
また、元素を原子番号の順に並べると元素の化学的性質が一定の周期で変わっていくことを周期律といいます。
まとめると、
- 原子番号順に配列する。
- 【周期】最外殻の種類が同じ元素を横列にする。※第1周期(K殻),第2周期(L殻),…
- 【族】主に最外殻の電子数の同じ元素を縦列にする。※同族元素:価電子数が同じであるために化学的性質が類似
金属元素と非金属元素
元素の性質に注目して原子を分類すると、金属元素と非金属元素に分けることができます。
下の周期表のように、緑色の領域に該当する元素が金属元素、オレンジ色の領域に該当する元素が非金属元素です。
階段状になっている境界線が入試や定期試験で問われます。覚えましょう。
両性元素とは
金属元素と非金属元素の境界付近に存在し、金属と非金属の両方の性質を示す元素を両性元素といいます。
Al,Zn,Sn,Pbが問われます。(「ああすんなり」と覚えましょう。)
ふつう金属は塩基(≒アルカリ)とは反応せず、酸と反応し、溶けます。
逆に非金属は酸とは反応せず、塩基(≒アルカリ)とは反応します。
それに対して、両性元素というのは、酸にも塩基(≒アルカリ)にも反応するという性質があります。
半金属元素とは
金属と非金属の中間的な性質を示すものを半金属といいます。
B,Si,Geなどが該当しますが、あまり入試では問われません。
一般的に金属は電気伝導性(電気を通しやすい)がありますが、非金属には電気伝導性がありません。
半金属はその中間、つまりちょっとだけ電気を導くという性質があるということです。
両性元素と半金属元素の違い
両性元素は「酸」や「塩基」の両方と反応できるため、金属・非金属両方の反応性の性質を示します。
半金属元素は金属ほど電気を導かず、非金属よりは電気を導くため、導電性が半分の性質を示します。
このように漢字で考えると覚えやすいですね。
典型元素と遷移元素
3〜11族の元素を遷移元素、それ以外の元素を典型元素といいます。
下の周期表のように、緑色の領域に該当する元素が遷移元素、オレンジ色の領域に該当する元素が典型元素です。
境界線が入試や定期試験で問われます。覚えましょう。
典型元素の性質
典型元素は以下の性質があります。
化合物の色 … 無色が多い
遷移元素の性質
遷移元素は以下の性質があります。
化合物の色 … 有色が多い
アルカリ金属・アルカリ土類金属・ハロゲン・希ガス
Hを除く1族元素をアルカリ金属、Be・Mgを除く2族元素をアルカリ土類金属、17族をハロゲン、18族を希ガスといいます。
名称や具体例が入試や定期試験で問われます。覚えましょう。
状態(固体・液体・気体)による分類
常温常圧において、単体がどのような状態なのかが問われます。
気体と液体を覚えて、それ以外はすべて固体と覚えましょう。
水素H2、窒素N2、酸素O2、フッ素F2、塩素Cl2、希ガス(6個すべて) で合計11個
臭素Br2、水銀Hg で合計2個
その他全部
周期表の覚え方(語呂合わせの紹介)
入試で絶対に覚えないといけないものだけをピックアップします。
一部下品ですが、覚えやすさに重点を置いているのでご了承ください。
原子番号1~20番の語呂合わせ
H | He | Li | Be | B | C | N | O | F | Ne | Na | Mg | Al | Si | P | S | Cl | Ar | K | Ca |
水 | 兵 | リー | ベ | 僕 | の | お船 | 七曲がーる | シッ | プ | ス | クラーク | か |
原子番号21~36番の語呂合わせ
Sc | Ti | V | Cr | Mn | Fe | Co | Ni | Cu | Zn | Ga | Ge | As | Se | Br | Kr |
スコッチ | 暴露マン | 徹子 | に | どうも | 会えん | が | ゲルマン | 斡旋 | ブローカー |
【1族】の語呂合わせ
H | Li | Na | K | Rb | Cs | Fr |
エッチで | リッチ | な | 母ちゃんが | ルビー | せしめて | フランスへ |
【2族】の語呂合わせ
Be | Mg | Ca | Sr | Ba | Ra |
ベッドに | もぐって | 彼と | すると | バラ色 |
【17族】の語呂合わせ
F | Cl | Br | I | At |
ふっくら | ブラジャー | 愛の | あと |
【18族】の語呂合わせ
He | Ne | Ar | Kr | Xe | Rn |
変な | ねーちゃんが | ある | 暗闇で | 曲者と | 乱闘 |
さいごに
周期表を頭にいれておくことは、今後化学を学習するうえで必須事項となります。イオンを考えるときでも、結合について考えるときでも周期表のどこの族に位置するのかを瞬時にこたえられるようにしておくと、単元の理解が深まりますので、頑張って覚えましょう!!
なお、僕がこれまで1000名以上の個別指導で、生徒の成績に向き合ってきた経験をもとにまとめた化学の勉強法も参考にしてもらえれば幸いです。
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