抽出とは溶媒によって溶けやすさが違うことを利用して分離する方法です。本記事では「抽出」の原理と方法を、ヨウ素溶液やコーヒーなど4つの具体例をもとに解説します。
ちなみに僕は10年以上にわたりプロとして個別指導で物理化学を教えてきました。
おかげさまで、個別指導で教えてきた生徒は1000名以上、東大京大国公立医学部合格実績は100名以上でして、目の前の生徒だけでなく、高校化学で困っている方の役に立てればと思い、これまでの経験をもとに化学の講義をまとめています。参考になれば幸いです。
抽出とは
抽出とは溶媒によって溶解度が違うことを利用して分離する方法です。
抽出に用いる溶媒は、分離させたい物質のみをよく溶かしそれ以外の物質はできる限り溶かさないものを選択します。
具体例1
ヨウ素溶液は、ヨウ素がアルコール+水の溶媒に溶けたものです。ヨウ素は水よりも油に溶けやすい性質を持っています。ヨウ素溶液にヘキサン(油)を加えると、油層(ヘキサン)と水層の2層に分かれます。これを良く振り混ぜると、油層(ヘキサン)のほうにヨウ素が移動します。ここで、水層と油層を分離すれば、油層(ヘキサン)にヨウ素を取り出すことができます。
具体例2
フェノールは水よりもベンゼン(油)に溶けやすい性質を持っています。
NaClとフェノールの混合水溶液にベンゼンを加えると、油層(ベンゼン)と水層の2層に分かれます。これを良く振り混ぜると、油層(べンゼン)のほうにフェノールが移動します。ここで、水層と油層を分離すれば、水層にNaClを、油層(ベンゼン)にフェノールを、それぞれ取り出すことができます。
具体例3
臭素は水よりもベンゼン(油)に溶けやすい性質をもっています。
臭素を水に溶かした「臭素水」にベンゼンを加えると、油層(ベンゼン)と水層の2層に分かれます。これを良く振り混ぜると、油層(べンゼン)のほうに臭素が移動します。ここで、水層と油層を分離すれば、油層(ベンゼン)に臭素を取り出すことができます。
具体例4
コーヒーは、コーヒー豆に含まれる成分のうち、「味・香り」の成分を熱水に抽出したものです。ちなみに、コーヒーを抽出した後のコーヒー豆がフィルターの上に残るので、ろ過も同時に行なっていると考えられます。
さいごに
分離法の名称と具体例を組み合わせる問題に対応できるよう、具体例多めにしました。
何度か復習しないと覚えられないと思いますので、今この瞬間見てハイ終わり、とせずにお気に入りに入れて再度復習するなど工夫してみてくださいね。
なお、僕がこれまで1000名以上の個別指導で、生徒の成績に向き合ってきた経験をもとにまとめた化学の勉強法も参考にしてもらえれば幸いです。
また、本記事をググってくださったときのように、参考書や問題集を解いていて質問が出たときに、いつでもスマホで質問対応してくれる塾はこれまでありませんでした。
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