塾・予備校選び難しいなあ…。駿台は授業や教材は良いって聞くし、興味はあるけど、敷居が高いイメージがあるし、自分に合うか不安…。駿台で本当に成績は上がるのかな?
このような疑問に答えます。
本記事でわかること
僕は10年以上にわたりプロとして個別指導で物理化学を教えてきました。
おかげさまで、個別指導で教えてきた生徒は1000名以上、東大京大国公立医学部合格実績は100名以上でして、個別指導は特に生徒一人一人の成績と向き合うため、成績の上げ方、上がるタイプの生徒、上がらないタイプの生徒についてとことん研究してきました。
そこで、大手予備校の中でも特に僕が注目する「駿台」について客観的に分析していきます。
いますぐ公式サイトを見たい方はこちら▼
駿台予備校の特徴
駿台予備学校は大学受験生の中でトップレベルの知名度と規模を誇る予備校です。
今回は駿台予備学校の特徴のうち、高校生・受験生にとって比較材料になる情報だけをまとめます。
正直、「駿台は指定席制です。」とか予備校選びの観点ではどうでもいいので、本記事の情報には入れません。
駿台の授業・講師・コース
河合塾が1コマ90分の授業であるのに対し、駿台は1コマ50分の授業です。
学校と同じなので比較的集中しやすいといえます。
参考書を書いているような有名講師が在籍しており、ほとんどの授業の質は高いものになっています。
例えば「現代文の中野先生」など評判が良く著名な講師が担当になれば、目の前で授業を受けることができます。
ただ、授業の質に関しては、東進や河合塾も質は高いので、この点はあまり比較材料にはならないかと思います。
中には「ハズレ」の講師もいて、その講師の授業は出席率が低くなりがちです。。。
ちなみに、河合塾にしても駿台にしてもコースはかなり豊富にあるので、自分に合ったレベルのコースはほぼ間違いなくあると思って構いません。
駿台の教材
模試を作成するレベルの強烈な教務力があるので、信頼度・質ともに抜群に高いといえます。
駿台の教材の質の高さは太鼓判レベルですが、クラスによってはやや難しい印象があるので、自分のレベルにあったクラスに入ることが重要です。
また、どの予備校の教材に共通していえることですが、授業での講義ありきで設計されているので、教材は問題が多く、単元そのものの理解ができるような「教科書的な」教材ではありません。
そのため、基礎力に不安がある場合は駿台の授業以外の対策をとるほうが良いです。
例えば、河合塾OneというAIを活用した高校生向け映像授業サービスは基礎力向上にうってつけです。
駿台の欠席対応
駿台では、OD(オンデマンド)欠席フォローシステムが導入されています。
このシステムは、自分が通っている校舎で、欠席した授業の録画ビデオを個別ブースで視聴できるというものです。(システム利用料無料、視聴期間は対面授業が行われた2日後から3週間以内)
ちなみに河合塾だと、違う曜日や他校舎の同じ講座を振替受講するしかできず、振替受講ができなかった場合は、ウェブ上の「塾生マイページ」の解答閲覧で授業で扱った問題の解答を確認することのみの対応で、録画ビデオ視聴はできません。
この点は駿台のほうが便利ですね。
そしてここからが本題!!
駿台の質問対応システムmanabo
みなさんは、学校の定期試験勉強や受験勉強をしているときに、わからないところが出てきたらどうしていますか?
人によっては、学校の先生に質問しにいったり、塾の先生に質問したり、ググったり、と様々ですが、
学校の先生や塾の先生はなかなかタイミングが合わずに質問しづらかったり、数学だとググっても仕方ないことがあります。
わからないところが出たときに、すぐに教えてもらって解決できれば、学習効率も格段にはかどるのになあ。。と思いませんか?
そんな悩みに答えられる、現状唯一の予備校が「駿台」です。
自分のスマホやタブレットを使って、自宅などから質問できる「manabo」を2020年から導入しています。自宅で分からない問題をスマホやタブレットで撮影し、manaboに投稿すると、プライベートティーチャーがチャットや通話で指導してくれる便利なツールです。
ちなみにこのmanaboはもともと教育系のベンチャー企業のサービスで、駿台が買収し自社サービスとして展開したという背景があります。
このシステムのおかげで、駿台の生徒は、わからない問題があったときはスマホでいつでもすぐに質問して解決できるようになりました。
現状、このようなサービスを提供している塾・予備校はありませんので、質問対応力は塾業界では断トツです。
生徒にとっては圧倒的なメリットだと思います。
クラス担任による学習コーチング
受験勉強をやろうと思っても、つい身が入らずサボってしまったり、勉強計画を立ててやるべきだとわかっていても、立て方がわからない…などの悩みを感じませんか?
僕もそのような生徒をたくさん見てきました。
授業で理解できても、その後の問題演習や復習をやらないと全て忘れてしまって身に付きません。
99%の塾・予備校は「授業で理解」するところまでがサポートであり、その後の問題演習や復習までサポートしてくれるところはほぼありません。
しかし、駿台では各クラスに進路指導・学習法指導のプロである「クラス担任」がいます。クラス担任は、模試や小テストの成績・WEBアンケートなどにより、一人ひとりの学習の「質」と「量」を見える化し、あなたに最適な「学習方法」「学習計画」についてアドバイスします。
実際に通っている生徒に聞いたところ、授業を無断欠席すると、クラス担任から連絡が来るようで、つい誘惑に負けてサボってしまいそうな人には頼もしいサポートといえますね。
プレミアムサポートコース
これまで駿台といえば、難関大、特に理系や医学部受験に強いイメージがありました。教材のところでも説明したように、基本から鍛えなおすようなレベルのクラスは充実していない印象でしたが、AI教材atama+の導入時期を契機に変わったようです。
僕の10年以上にわたる指導経験上、有名国公立志望レベルの場合は大人数を集めて集団クラスで競わせるほうが成績が上がりやすいのですが、基礎からやり直したいレベルの生徒の場合は個人個人に合わせた指導が求められるため、大人数の集団クラスは成績を上げるのが比較的難しくなります。そのため、これまでは基礎レベルからやり直したいレベルの生徒は大手予備校が苦手とするところでしたが、この部分をAI教材atama+を導入することで解決したと解釈しています。
AI教材atama+は生徒個人個人の苦手を学習履歴から分析し、最短で基礎学習を進めることのできるシステムなので、これを活用し、人がサポートをすることで克服したということだと思います。
駿台の料金(授業料・学費)
現役生の料金
入学金
30,000円
授業料
1教科あたり:164,500~209,500円/年(高1、高2)
1教科あたり:196,500~281,500円/年(高3)
浪人生の料金
入学金
100,000円
授業料
725,000~845,000円/年
浪人生の場合は駿台にしても河合塾にしても代ゼミにしてもだいたい年間100万くらいなのでそれほどの差はないと考えて頂ければと思います。
駿台の評判・口コミ
講師の質に関する口コミは自分の担当講師になるかはわからないので参考にならないと判断し、割愛しています。
三宮駅から徒歩5分くらいで非常に便利。隣にコンビニもある。ゲームセンターや居酒屋、パチンコ屋、映画館もあるので堕落する者も多い
https://www.jyuku-search.com/blist/87.html
駿台に限らず河合塾でも一緒ですが、立地は重要で、繁華街の近くに校舎がある場合は通学のたびに誘惑にかられてしまいます。
浪人生なら約1年間通うわけですから堕落してしまう生徒もいます。実際に残念ながら浪人した元教え子で堕落した生徒もいました。
実際に検討している校舎の周りの環境を見ておくことが重要です!!
自習室が別の建物にありますが、先生の監視の目が届かないせいか、騒ぐ生徒もいて、邪魔なことがありました。
https://www.jyuku-search.com/blist/87.html
校舎によってはこのようなこともあったそうです。説明会のときなどに自習室の監視体制について確認したほうがよいですね。
授業に行けなかった日はチューターの方から連絡があり、必要事項を教えて頂けます。 映像授業は別途お金を取らず、受講料の範囲内にして欲しいと思いました。
https://www.jyuku-search.com/blist/87.html
この口コミは2020年段階のものですが、公式HPによると2021年現在は欠席の映像の場合は無料になっています。
授業後、質問をしに講師室に行くと質問したい講師がいらっしゃらない事が多々あったりするので、授業後質問をしに行きやすい環境を整えていただけるとありがたいです。
https://www.jyuku-search.com/blist/87.html
こちらも2020年段階のものですが、manaboを無料で使えるようになったので、この点は解決しましたね。
料金はほかの予備校より高めですが、コピー機が使えたり、教材が充実していること、教師が信頼できる点からは相応の料金だと思います。
https://www.jyuku-search.com/blist/87.html
教師が信頼できる点というのは、この人個人の考えなので参考になりませんが、コピー機が使える点は意外と大きなメリットですね。赤本は分厚くて勉強しにくいからコピーして解く生徒も過去にはいました。
教室は綺麗で自習室も完備されており勉強に集中しやすい環境だと思う。
https://www.jyuku-search.com/blist/87.html
教室がきれいなのは必須条件ですよね。ただ、大手予備校で汚い校舎はさすがに存在しないかな、、、。
いつも丁寧な対応で、スタッフがしっかり教育されていると感じた
https://www.jyuku-search.com/blist/87.html
この点は保護者・生徒がストレスなく通学するためには必須です。
つまるところ塾や予備校に不満をもつのは事務スタッフの対応であることが多いので、自分が通うことになる校舎のスタッフの対応を説明会などで判断すると良いと思います。
結局、駿台で成績は上がるのか?
僕の10年以上、1000名以上の個別指導の経験からの持論ですが、成績を上げる3つの要因は以下です。
- 単元の理解
- 十分な問題演習量
- 放っておいたら忘れるので適度な復習
この3つのサイクルをしっかりと行えるかどうかで成績が上がるかどうかが決まります。
授業は理解できているのに、テストの点が取れない…
こういうタイプの生徒は、2つ目の「十分な問題演習量」と「適度な復習」が足りていません。
そして、塾に行っても成績が上がらない原因の9割がこの2点です。
しかし、この部分は従来「自分でやるもの」というのが当たり前で、塾でのサポートはありませんでした。
そこに登場したのが「コーチング」という概念です。
このコーチングとは、「十分な問題演習量」と「忘れないよう適度な復習」に必要な学習計画・モチベーションをサポートするものです。
駿台は、「クラス担任」制度や「manabo」、「プレミアムサポートコース」でこのコーチングに取り組んでいて、大手予備校の中でも一歩抜きんでている印象があります。
最終的には、勉強は自分でやるものなので、本人がその覚悟をもって入学しないとどんな塾・予備校を選択しても成績はあがりませんが、学習システムの充実という点では駿台は他塾に比べて優位性があると個人的には思います。
正直、塾・予備校が良かったかどうかというのは、最終結果が出るまではわかりません。
そして、最終結果を出せるのは自分自身です。
自分の直感を信じるしかありませんので、まずは気になる塾・予備校の無料説明会に行って「感じる」のが一番です。
行動しない限り成功をつかむことはありません。まずは行動に移してみましょう。
ここからは余談になりますが、
河合塾にしろ東進にしろIT化をわりと自社内でやりきろうとする印象があり、
それに対して駿台は積極的にベンチャー企業の買収や提携でIT化を推進しようとしている違いがあります。
やはり老舗教育系企業がIT化を進めるにはノウハウが不足するのは言うまでもありません。餅は餅屋です。
この点、駿台には、自社でやりきろうとするような変なプライドがなく、生徒のメリットを優先的に考えている企業文化があるのかな、という風に見えています。
このまま河合塾や東進が内製にこだわっていると、10年先には駿台と河合塾と東進の横並びから一転、駿台がイニシアチブをとっている可能性も否定できないと個人的には思っています。