学校の授業がわからないし、受験に向けてどんな参考書を選んだらいいのかわからないな~。自分に合った参考書が知りたいけど、ググってもおすすめの本が30種類とかあって、結局自分に合う参考書がわからないよ…。
このような疑問に答えます。
本記事では、学年・志望校別におすすめの参考書と問題集、それぞれの使い方について解説します。
僕は10年以上にわたりプロとして個別指導で物理化学を教えてきました。
おかげさまで、個別指導で教えてきた生徒は1000名以上、東大京大国公立医学部合格実績は100名以上でして、個別指導は特に生徒一人一人の成績と向き合うため、成績の上げ方、上がるタイプの生徒、上がらないタイプの生徒についてとことん研究してきました。
すべての学習において重要なことですが、参考書を読むだけで成績が上がるということはまずあり得ません。
成績が上がるためには、以下の3つの要素が必要です。
- 単元の理解
- 十分な問題演習量
- 放っておいたら忘れるので適度な復習
化学の場合は暗記も重要なので、ここに英単語を覚えるのと同じで「暗記」という要素も加わります。
このうち、参考書は1つめの単元の理解のためにあり、問題集は2つめの十分な問題演習量のためにあると心がけてください。
そもそも、効率のいい化学の勉強法が知りたい方は以下をご覧ください。
高1・高2におすすめの化学の参考書
基礎レベル参考書のおすすめ
学校の授業が全くわからないレベルの人や、基礎事項がきれいさっぱり抜けてしまった人は、橋爪先生のシリーズがわかりやすいのでおすすめです。
橋爪のゼロから劇的!にわかる 理論化学の授業 (大学受験Do Start)
化学基礎と化学発展の理論分野が網羅されています。定番ではありますが、基礎中の基礎から丁寧に解説されていますので、学校の授業だけでは理解が進まない方は、こちらを予習・復習として読んでおくと良いです。
橋爪のゼロから劇的!にわかる 無機・有機化学の授業 (大学受験Do Start)
化学発展の無機・有機分野が網羅されています。通常、高2以上になると学習する単元なので、高1の方はすぐには購入する必要はありません。
参考書ではなかなか勉強が進まない人は「スタディサプリ」も参考書代わりにおすすめです。
標準レベル参考書(推奨)
学校の授業はわかるけど、受験のことを考えて発展内容も知っておきたい高1、高2生向けの参考書です。
大学受験Doシリーズ 鎌田の理論化学の講義 改訂版
化学基礎と化学発展の理論分野が網羅されています。鎌田の理論化学の講義には「別冊まとめ」という要点をまとめた小冊子が付属しています。覚えなければならない用語や公式が綺麗にまとめられているので、これを使って覚えると良いです。もちろん理解は重要ですが、結局化学はさいご暗記ですから。
大学受験Doシリーズ 福間の無機化学の講義 四訂版
化学発展の無機分野が網羅されています。通常、高2以上になると学習する単元なので、高1の方はすぐには購入する必要はありません。
こちらは鎌田先生との共著で、無機化学の参考書の中では最高ランクの評判です。
無機化学は丸暗記になりがちですが、なぜそのような反応が起こるのか、という理屈もしっかりと解説されているだけでなく、上に同じく「別冊まとめ」という要点をまとめた小冊子が付属しています。無機化学こそ繰り返し暗記をしないといけないのでこの別冊のためにおすすめしているといっても過言ではありません。
大学受験Doシリーズ 鎌田の有機化学の講義 四訂版
化学発展の有機分野が網羅されています。通常、高2以上になると学習する単元なので、高1の方はすぐには購入する必要はありません。
有機化学も理屈の理解と暗記が重要ですので、やはり別冊まとめがある点、内容の詳しさからも鎌田先生の参考書がおすすめです。
参考書ではなかなか勉強が進まない人は「スタディサプリ」も参考書代わりにおすすめです。
化学のおすすめ問題集
あれやこれやと手を出すのは非推奨なので、原則的には学校で配られる教科書傍用問題集で十分です。
たとえば、リードα化学基礎+化学やセミナー化学基礎+化学 2021年度用 最新版 あたりが多いですね。
プラスアルファでやりたい人や、学校傍用問題集が配られない人は、以下がおすすめです。
《新入試対応》化学(化学基礎・化学)基礎問題精講 四訂版
問題のチョイスが素晴らしく、解説も丁寧な「精講シリーズ」。僕は物理も精講が好きです。
基礎的な問題はある程度網羅されており、無駄な問題がありません。非常に良質な問題を取りそろえられていると思うので、おすすめです。
高1・高2向けの化学の参考書・問題集の使い方
まず大前提ですが、成績が上がるための3つの要素
- 単元の理解
- 十分な問題演習量
- 放っておいたら忘れるので適度な復習
このうち、参考書は「単元の理解」を補うものと認識してください。問題集を使って「十分な問題演習量」を補わなければ成績は100%上がりません。
そのため、学校や塾の授業の予習復習として「参考書」を使い、そのアウトプットとして習った単元の「問題集」を解きます。
化学の場合、暗記も必要なので、参考書で理解したら、必ず暗記も意識的に行わなければいけません。
そのため、基本的には以下のステップで学習を進めることになります。
学校や塾の授業の進度に合わせて、予習または復習を行います。参考書より映像授業がいい人は、スタディサプリもおすすめです。
鎌田先生や福間先生のシリーズなら「別冊まとめ」を使って覚えましょう。
参考書で勉強した単元と同じ単元を問題集の問題を解きましょう。
その際、間違えた問題には必ずチェックをつけて復習効率があげれるようにしておきましょう。
間違えた問題は翌日と1週間後くらいを目途に解きなおします。(当日中に復習は記憶が残りすぎていて意味ありません。翌日以降です。)
もし、忘れすぎていて基礎知識が抜けていたら参考書で復習をするなど徹底しましょう。
このサイクルをひたすら繰り返しましょう。
このサイクルを計画的に進めていくことが成績アップには不可欠です。
この学習計画や進捗管理などをサポートしてくれる塾や予備校はこれまでなかったのですが、
最近だと手厚いサポートをしてくれるところが出てきだしました。
特に手厚いサポート体制だと思うのは、意外かもしれませんが、予備校ならダントツで駿台。家庭教師ならノーバスはプロ目線でいいサービスだと思います。
高3におすすめの化学の参考書・問題集
レベルに関係なく推奨したい参考書
高1高2で一通り学んできたけど、だいぶ忘れているから参考書で復習したい方に推奨したい参考書シリーズです。
大学受験Doシリーズ 鎌田の理論化学の講義 改訂版
化学基礎と化学発展の理論分野が網羅されています。鎌田の理論化学の講義には「別冊まとめ」という要点をまとめた小冊子が付属しています。覚えなければならない用語や公式が綺麗にまとめられているので、これを使って覚えると良いです。もちろん理解は重要ですが、結局化学はさいご暗記ですから。
大学受験Doシリーズ 福間の無機化学の講義 四訂版
化学発展の無機分野が網羅されています。
こちらは鎌田先生との共著で、無機化学の参考書の中では最高ランクの評判です。
無機化学は丸暗記になりがちですが、なぜそのような反応が起こるのか、という理屈もしっかりと解説されているだけでなく、上に同じく「別冊まとめ」という要点をまとめた小冊子が付属しています。無機化学こそ繰り返し暗記をしないといけないのでこの別冊のためにおすすめしているといっても過言ではありません。
大学受験Doシリーズ 鎌田の有機化学の講義 四訂版
化学発展の有機分野が網羅されています。
有機化学も理屈の理解と暗記が重要ですので、やはり別冊まとめがある点、内容の詳しさからも鎌田先生の参考書がおすすめです。
参考書ではなかなか勉強が進まない人は「スタディサプリ」も参考書代わりにおすすめです。
地方国公立私立レベルの問題集
まずは学校傍用問題集のリードα化学基礎+化学やセミナー化学基礎+化学 2021年度用 最新版 あたりを持っている場合は、こちらの標準問題と応用レベルの問題をやりましょう。
学校傍用問題集を持っていない人は、以下がおすすめです。
《新入試対応》化学(化学基礎・化学)基礎問題精講 四訂版
問題のチョイスが素晴らしく、解説も丁寧な「精講シリーズ」。僕は物理も精講が好きです。
基礎的な問題はある程度網羅されており、無駄な問題がありません。非常に良質な問題を取りそろえられていると思うので、おすすめです。
目安としては早くて夏休み前までにひととおり終わったら、次のステップとして、以下の重要問題集のAレベル問題を完成させましょう。
2021実戦 化学重要問題集 化学基礎・化学
いわずと知れた入試系問題集の代表格。名前の通り、重要かつ良質な問題が集められています。学校で配られる場合もあるので、その点は学校の先生に確認したほうがよいかもしれません。
基本的にAレベルの問題まででよく、Bレベルをやるくらいなら、別のもっと難しい問題集をやったほうが良いと思います。
僕も教え子にはAレベルだけをやらせ、Bレベルはやらないようにすすめています。
これが終わればあとは共通テスト対策と赤本で過去問演習です。
難関レベル(旧帝大など)の問題集
基本レベルである学校傍用問題集のリードα化学基礎+化学やセミナー化学基礎+化学 2021年度用 最新版 あたりはもう高2段階までで終わっている前提です。高3になってもまだ学校傍用問題集が解けない人が、このレベルの大学を目指すのは現実的には相当な努力が必要となりますので、それでも頑張りたいという方は覚悟して取り組んでください。
まずは高3の夏休み前半くらいまでを目途に以下の重要問題集のAレベルを完成させましょう。
2021実戦 化学重要問題集 化学基礎・化学
いわずと知れた入試系問題集の代表格。名前の通り、重要かつ良質な問題が集められています。学校で配られる場合もあるので、その点は学校の先生に確認したほうがよいかもしれません。
基本的にAレベルの問題まででよく、Bレベルは不要です。
僕も教え子にはAレベルだけをやらせ、Bレベルはやらないようにすすめています。
そのうえで、以下の標準問題精講を秋くらいまでにやっておきましょう。
化学[化学基礎・化学] 標準問題精講 五訂版
「標準」とついているにもかかわらず重要問題集のBレベル程度の難易度の問題集です。
良問がそろっており、解説も充実していて、かなりのおすすめです。
実際に僕も多くの教え子にこの問題集をさせてきましたが、やり切った生徒はいずれも実力に反映されていきました。
ここまでやったら、あとは共通テスト対策と過去問演習です。
最難関レベル(東大京大・単科医大・東工大・慶應)の問題集
基本レベルである学校傍用問題集のリードα化学基礎+化学やセミナー化学基礎+化学 2021年度用 最新版 あたりはもう高2段階までで終わっている前提です。高3になってもまだ学校傍用問題集が解けない人が、このレベルの大学を目指すのは現実的にはかなり厳しいです。
その前提になりますが、まずは高3の夏休み前くらいまでを目途に以下の重要問題集のAレベルを完成させましょう。
化学[化学基礎・化学] 標準問題精講 五訂版
「標準」とついているにもかかわらず重要問題集のBレベル程度の難易度の問題集です。
良問がそろっており、解説も充実していて、かなりのおすすめです。
実際に僕も多くの教え子にこの問題集をさせてきましたが、やり切った生徒はいずれも実力に反映されていきました。
夏休みと10月くらいまでに以下の新演習に取り組みましょう。
理系大学受験 化学の新演習―化学基礎収録
解説は若干しょぼいのですが、最難関レベルの問題集です。
最難関レベルの大学入試問題を解く力をつけるには、このレベルの問題集を解きなれておく必要があります。
実際に僕も多くの教え子にこの問題集をさせてきましたが、やり切った生徒はいずれも実力に反映されていきました。
どうしても時間的にすべて解くのが難しい場合は、苦手な単元に絞ってやっておくという方法もあります。
それが終われば、過去問演習です。
東大・京大・阪大志望の方は、東大の化学25カ年第5版、京大の化学25カ年第6版、阪大の化学20カ年第4版をやるのは基本的に共通テスト後となりますので、秋の駿台や河合のいわゆる冠模試であるオープン模試や実戦模試に向けた過去問演習では、以下を使うとよいです。
東大志望の方は、2021大学別入試攻略問題集 東京大学 理科 (河合塾シリーズ) 、実戦模試演習 東京大学への理科 2021 (大学入試完全対策シリーズ)
京大志望の方は、2021大学別入試攻略問題集 京都大学 理科 (河合塾シリーズ) 、実戦模試演習 京都大学への理科 2021 (大学入試完全対策シリーズ)
阪大志望の方は、実戦模試演習 大阪大学への理科 2021 (大学入試完全対策シリーズ)
東工大志望の方は、実戦模試演習 東京工業大学への理科 2021 (大学入試完全対策シリーズ)
を行いましょう。模試の過去問なので、志望校の問題の傾向に慣れておくためにもおすすめです。
(その他の難関大は出版されていません。)
化学の問題集の取り組み方
まず大前提ですが、成績が上がるための3つの要素
- 単元の理解
- 十分な問題演習量
- 放っておいたら忘れるので適度な復習
このうち、参考書は「単元の理解」を補うものと認識してください。問題集を使って「十分な問題演習量」を補わなければ成績は100%上がりません。
高3生の場合、すでに学校や塾で習った単元を思い出すところからとなります。上記参考書は1~2週間程度をめどに、まずはざっと通しで復習しましょう。そのうえで、問題集を進めていくのですが、受験生の問題演習は進め方を変えたほうがよいです。
リードα化学基礎+化学やセミナー化学基礎+化学 2021年度用 最新版 、化学[化学基礎・化学] 標準問題精講 五訂版を解く場合は前から順番に解き進めても構わないのですが、
2021実戦 化学重要問題集 化学基礎・化学と化学[化学基礎・化学] 標準問題精講 五訂版と理系大学受験 化学の新演習―化学基礎収録を解いていく場合、すでに基礎レベルの問題集を一巡しているはずです。
この場合、受験生の最大の敵「忘却」との闘いを意識しておく必要があります。
もし、前から順番に解き進めてしまうと、理論やってるときは有機化学を忘れ、有機化学やってるときは理論を忘れ、、、、と非効率な勉強となってしまいます。
この影響で思うように成績が上がらない、ということが多々あります。
僕のおすすめの解き方は、理論、無機、有機、高分子から1問ずつとペースを決めて、同時並行的に解き進めていく方法です。
この方法だと、単元をひとつひとつ終わらせていく感覚がないので「終わっていってる実感」が湧きづらいのですが、受験生にとって実際に成果が出やすい勉強方法はこの同時並行のほうです。
間違えた問題の解きなおしをするのは当然として、以上の方法で学習をすると、結果的に最短効率になりますので、よければ参考にしてください。
また、化学の場合、暗記も必要なので、定期的に「別冊まとめ」の復習を忘れないようにしてくださいね。
いずれにせよ、計画的に進めていくことが成績アップには不可欠ですので、
化学の勉強法について知りたい方は以下をご覧ください。
なお、これまで、学習計画や進捗管理などをサポートしてくれる塾や予備校はこれまでなかったのですが、
最近だと手厚いサポートをしてくれるところが出てきだしました。
特に手厚いサポート体制だと思うのは、意外かもしれませんが、予備校ならダントツで駿台。家庭教師ならノーバスはプロ目線でいいサービスだと思います。
よければ参考にしてください。